東海道BEER川崎宿工場

東海道川崎宿という土地の文脈と、ビール醸造所兼バーという用途の組み合わせを意識して設計しました。


通りから眺められる外観は日本の組子と印伝の模様から着想を得て、川崎稲毛神社の御神木であり川崎区のシンボルツリーである銀杏の葉と、神社に縁があり勝ち虫として縁起の良いトンボの姿で穴をあけた木パネルを製作して建具としました。
伝統的な組子をそのまま使うのではなく、銀杏とトンボの日本的なグラフィックを用いた新しい表現にしています。


来店客には、ここがただのビールバーではなくビール醸造所であり、まさにここで造っているということをビールとともに味わってもらいたいと思っています。
ビールバー店舗の客席と醸造所ビールタンクは、厨房を挟んで対面する位置関係にあり、タンクを眺めながらビールを飲むことになります。


この来店客と醸造所の関係を、建物の中から縁側を介して外の庭を眺める日本家屋の内と外が連続する関係のように表現したいと考えました。


新しい川崎宿を表現した和の空間から縁側の引違い和建具の外に、銀色に輝く現代的川崎の工場夜景の庭風景を眺めるということをイメージし、宿場町と工場地帯という川崎の街のアイデンティティを凝縮させています。


和空間とメカニックな金属の塊という異質なもの同士がぶつかりあう、しかし妙にマッチしてしまう不思議なコントラストの空間になりました。